DX推進が求められている現代において、デジタルツインは革新的な技術と応用の広がりにより、世界中で注目を集めています。
本コラムではデジタルツインの意味や実現する技術、活用方法と得られる効果について解説します。
デジタルツインとは
現実空間を仮想空間に再現するテクノロジーのこと
デジタルツインとは、現実世界の空間やオブジェクトといったあらゆるデータを、仮想空間上にまるで双子(ツイン)のように再現する技術のことです。現実空間のデータを仮想空間に連携することで、モニタリングやシミュレーションなどでの活用、さらには取得データを利用した最適化まで可能です。
総務省からは以下のように紹介されています。
デジタルツイン(Digital Twin)とは、現実世界から集めたデータを基にデジタルな仮想空間上に双子(ツイン)を構築し、様々なシミュレーションを行う技術である。
デジタルツインとメタバースの違い
デジタルツインとメタバースは類似技術として間違われることがあります。
仮想空間を利用した技術という点では同じですが、仮想空間上で利用をするデータの内容や活用方法が異なります。
デジタルツイン |
メタバース |
|
データ内容 | 現実空間をデータ化 | 創造したイメージをデータ化 |
活用方法 | 現実世界に存在するあらゆるデータと連動し、モニタリングやシミュレーションで活用 | 創造したイメージを仮想空間として作成し、ゲームやコミュニケーションで活用 |
デジタルツイン |
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データ内容 | 現実空間をデータ化 |
活用方法 | 現実世界に存在するあらゆるデータと連動し、モニタリングやシミュレーションで活用 |
メタバース |
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データ内容 | 創造したイメージをデータ化 |
活用方法 | 創造したイメージを仮想空間として作成し、ゲームやコミュニケーションで活用 |
デジタルツインを実現するためのステップ
・仮想空間上に再現する空間の範囲を確定
・デジタルツイン上で実施する内容を確定
・追加で収集する場合は収集システムを追加
・デジタル上に仮想空間データ(3Dモデル)として変換
・撮影データのクリーニング、トリミング、ぼかし処理
・空間データ同士の結合
デジタルツインを実現するための技術
デジタルツインを実現するための空間データ作成では、大きく2種類の技術があります。
現実空間を撮影・組み合わせて作成
・文化遺産のデジタル保存
・建築や都市計画シミュレーション
・医療手術計画 etc.
仮想空間や3Dオブジェクトを作成
・エンターテイメント(映画/ゲーム)
・教育とトレーニング
・広告/マーケティング etc.
デジタルツインの活用方法と効果
製造業・工場
ビルメンテナンス・スマートビルディング
データセンター
危険エリア・クリーンルーム
3Dモデル上でIoTデータを可視化するソリューション『ZeugMa』
可視化現実空間
3Dモデル化
遠隔から現場の3Dモデル内をウォークスルーで巡回し、連携されているIoTデータをリアルタイムで確認できる、設備管理に特化したソリューション。
ソリューション紹介動画
まとめ
デジタルツインはさまざまな業種で活用できますが、デジタルツインを実現する技術である『フォトグラメトリー』『CG』のどちらを利用するかで、作成される空間データの内容が異なります。現実空間データの撮影・保管をすることで、過去に実現場はどのようなレイアウトで実務をしていたか、将来的にどのように配置を変更することで作業効率が向上するかなど、現状の改善検討ができます。仮想空間データを作成することで、あらゆるパターンにおけるシミュレーションの実施から最適解を見つけることができ、将来的な実施検討につながります。
デジタルツインの活用方法は無限にありますが、設備状況や課題、リスク、中長期計画などをふまえた設計が必要です。
NSWが提供するデジタルツインソリューション「ZeugMa」は、まだデータ収集ができていない環境のIoT導入から支援します。すでに収集しているデータがある場合は、3Dモデルの撮影とデータ連携のみで、すぐにデジタルツインが実現します。
状況に応じた柔軟なご支援が可能となりますので、まずはお気軽にご相談ください。