注目の「デジタルツイン」とは?
意味や活用方法・効果を解説
スマートファクトリー

DX推進が求められている現代において、デジタルツインは革新的な技術と応用の広がりにより、世界中で注目を集めています。
本コラムではデジタルツインの意味や実現する技術、活用方法と得られる効果について解説します。

目次

    デジタルツインとは

    現実空間を仮想空間に再現するテクノロジーのこと

    デジタルツインとは、現実世界の空間やオブジェクトといったあらゆるデータを、仮想空間上にまるで双子(ツイン)のように再現する技術のことです。現実空間のデータを仮想空間に連携することで、モニタリングやシミュレーションなどでの活用、さらには取得データを利用した最適化まで可能です。

    総務省からは以下のように紹介されています。

    現実空間を仮想空間に再現する従来からある概念として「デジタルツイン」がある。
    デジタルツイン(Digital Twin)とは、現実世界から集めたデータを基にデジタルな仮想空間上に双子(ツイン)を構築し、様々なシミュレーションを行う技術である。

    参照元:総務省|令和5年版 情報通信白書|デジタルツイン

    デジタルツインとメタバースの違い

    デジタルツインとメタバースは類似技術として間違われることがあります。
    仮想空間を利用した技術という点では同じですが、仮想空間上で利用をするデータの内容や活用方法が異なります。


    デジタルツイン

    メタバース
    データ内容 現実空間をデータ化 創造したイメージをデータ化
    活用方法 現実世界に存在するあらゆるデータと連動し、モニタリングやシミュレーションで活用 創造したイメージを仮想空間として作成し、ゲームやコミュニケーションで活用

    デジタルツイン
    データ内容 現実空間をデータ化
    活用方法 現実世界に存在するあらゆるデータと連動し、モニタリングやシミュレーションで活用

    メタバース
    データ内容 創造したイメージをデータ化
    活用方法 創造したイメージを仮想空間として作成し、ゲームやコミュニケーションで活用

    デジタルツインを実現するためのステップ

    STEP1デジタルツイン実施範囲を確定

    ・デジタルツイン上に連携するリアルタイムデータの洗い出し
    ・仮想空間上に再現する空間の範囲を確定
    ・デジタルツイン上で実施する内容を確定
    STEP2リアルタイムデータ収集

    ・機械や設備、IoTセンサーなどのあらゆるデータを収集
    ・追加で収集する場合は収集システムを追加
    STEP3空間データ再現

    ・現実空間上の撮影を実施
    ・デジタル上に仮想空間データ(3Dモデル)として変換
    ・撮影データのクリーニング、トリミング、ぼかし処理
    ・空間データ同士の結合
    STEP4データ連携

    ・リアルタイムデータを仮想空間上に表示連携し、デジタルツインを構築
    STEP5デジタルツインを活用

    ・STEP1で確定した実施範囲を基に、モニタリングやシミュレーションを実施

    デジタルツインを実現するための技術

    デジタルツインを実現するための空間データ作成では、大きく2種類の技術があります。

    フォトグラメトリー

    LiDARなどのセンサーや専用デバイスを用いて
    現実空間を撮影・組み合わせて作成
    現実に存在する空間やオブジェクトを、LiDARと呼ばれるレーザの反射光を利用し、対象物との距離・形状を再現する点群データや、専用のカメラを使って360度さまざまな角度から撮影をした写真を組み合わせることで、現実世界の情報をデジタル上に再現する技術。
    ■活用シーン
    ・文化遺産のデジタル保存
    ・建築や都市計画シミュレーション
    ・医療手術計画 etc.
    コンピュータグラフィックス(CG)

    CG専用のソフトウエア・ツールを用いて
    仮想空間や3Dオブジェクトを作成
    創造でイメージした空間やオブジェクトを、デジタルデータとして形状や動きを作成する技術。モデリングツールを使用して3Dオブジェクトを構築し、テクスチャで質感を表現、光や影のライティングを加えることで、リアルなビジュアルを表現する。
    ■活用シーン
    ・エンターテイメント(映画/ゲーム)
    ・教育とトレーニング
    ・広告/マーケティング etc.

    デジタルツインの活用方法と効果

    製造業・工場

    生産ライン全体のシミュレーション
    製品の品質に影響を与える要因(温度、湿度、機械の摩耗など)をCGなどのツール上でシミュレーションを行い、最適な条件での生産を行うことで、不良品発生を減らす。
    高品質な製品の安定供給
    工場レイアウト変更時にデジタル測量
    デジタル上で測量を行うことで、現地往訪の時間・コストの削減や、測量ミスのやり直しを防ぎ、プロジェクト計画から実施までのプロセスが迅速化される。
    コストとリソースの最適化

    ビルメンテナンス・スマートビルディング

    施設の劣化状況を可視化
    建物や設備本体を隔年で撮影し、3Dモデルデータのデジタルアーカイブ化が可能。視覚的に劣化や老朽化を把握することで、利用者の快適性の向上や、修理・交換の計画立案ができる。
    顧客満足度の向上
    設備状態の遠隔確認
    遠隔から設備状態を確認することで、現地訪問や緊急対応の頻度が減少し、コスト削減が可能になる。また複数拠点の一元管理・監視により、業務の効率が大幅に向上する。
    運用コストの削減

    データセンター

    施設設備異常の早期発見
    デバイス異常によるサービス中断やシステム障害の際に、設置場所を迅速に特定することで、障害発生を最小限に抑える。異常時のデータ分析から運用改善や設備更新の計画策定を行える。
    ダウンタイムの最小化
    リソース利用状況の監視
    サーバ機器のリソース使用状況を監視することで、負荷バランスを適切に調整し、過負荷やボトルネックを回避することで、システム全体のパフォーマンスを最大化する。
    パフォーマンスの向上

    危険エリア・クリーンルーム

    避難経路のルート計画
    避難経路をシミュレーションすることで、火災、有害物質漏洩、自身などの緊急事態発生時に、従業員が最短で安全な場所に避難できるルート設計が可能。
    避難時間の短縮
    インシデント発生箇所の可視化
    インシデント発生箇所を履歴として3Dマップ上にプロットしておくことで、従業員のリスク回避につながり、また発生時の状態を3Dで確認しながら改善策を検討できる。
    被害範囲の縮小

    3Dモデル上でIoTデータを可視化するソリューション『ZeugMa』

    ZeugMa デジタルツインZeugMa
    デジタル測量IoTデータ連携インシデント
    可視化
    現実空間
    3Dモデル化
    フォトグラメトリーによる現実空間の撮影、IoTセンサー選定などデータ取得準備から実施。
    遠隔から現場の3Dモデル内をウォークスルーで巡回し、連携されているIoTデータをリアルタイムで確認できる、設備管理に特化したソリューション。
    最短2週間デジタルツインを実現

    ソリューション紹介動画

    まとめ

    デジタルツインはさまざまな業種で活用できますが、デジタルツインを実現する技術である『フォトグラメトリー』『CG』のどちらを利用するかで、作成される空間データの内容が異なります。現実空間データの撮影・保管をすることで、過去に実現場はどのようなレイアウトで実務をしていたか、将来的にどのように配置を変更することで作業効率が向上するかなど、現状の改善検討ができます。仮想空間データを作成することで、あらゆるパターンにおけるシミュレーションの実施から最適解を見つけることができ、将来的な実施検討につながります。

    デジタルツインの活用方法は無限にありますが、設備状況や課題、リスク、中長期計画などをふまえた設計が必要です。
    NSWが提供するデジタルツインソリューション「ZeugMa」は、まだデータ収集ができていない環境のIoT導入から支援します。すでに収集しているデータがある場合は、3Dモデルの撮影とデータ連携のみで、すぐにデジタルツインが実現します。

    状況に応じた柔軟なご支援が可能となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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