スマートグラスで業務改善!遠隔支援でお客様の『お困りごと』を早期解決
スマートメンテナンス
株式会社キッツ

インフラ設備や機械装置、建設物など、生活を支えるあらゆる設備と、それらを構成する機械が存在します。
我々の生活に欠かせず、よく使われるからこそ、故障やトラブルが発生した場合に、現場対応をより早く、より正確に行う必要があります。
ここでは現場作業者と遠隔地のコミュニケーションや、音声操作で資料確認などが行える産業用スマートグラス『RealWear』による、
業務効率化を実現する事例をご紹介します。

課題

  • 現場とオフィスの往復により、タイムロスが発生
  • 発生した事象の分析・再発防止策の検討ができていない

解決策

  • 現場の状況を、遠隔地のオフィスに音声と映像で共有
  • 現場作業員に対して、リアルタイムで作業指示を送る

効果

  • 有識者や他部門からの遠隔支援により、現場トラブルを早期解決
  • 遠隔支援により、経験の浅い技術者でも現場対応が可能
  • 現場状況を映像に記録することで、海外のグループ会社にナレッジを共有

株式会社キッツ

■会社紹介文
株式会社キッツは、バルブをはじめとする流体制御用機器、およびその付属品の製造・販売を行っており、国内トップシェア、グローバルで10位以内と高いシェアを誇る。
2022年2月には長期経営ビジョン『Beyond New Heights 2030「流れ」を変える』を公表し、従来のコア市場の中心となる建築設備や石油化学プラントなどの市場にとどまることなく、データセンターや半導体製造装置、水素ステーションなどの成長市場の拡大を推進している。

1.導入の背景

スマートグラス導入の経緯を伺うと、現場対応を行っているカスタマーソリューション推進部が抱える課題を解決できる技術を探していたことがきっかけといいます。

「カスタマーソリューション推進部では、往訪が難しいような現場でのトラブル対応や修理をすることがありますが、作業に行き詰まり、早く解決したくてもできないという課題があります。何かIT技術を使ってアシストできないかと考え、スマートグラスの導入を始めたことがきっかけです。」(IT統括センター ビジネスシステム部 伊藤 一彦 様)

また、執行役員 IT統括センター長の石島 貴司様は「スマートグラスを使い始めた2021年は、世の中でDXの取り組みが進んでおり、市場をもっと開拓していかなければいけないということで会社自体が大きく変わる時期でした。
このときに、データの力でできる限りのビジネスサポートをしていこうという取り組みを始め、新しい技術にトライしようということでスマートグラスの取り組みを始めました。」と当時を振り返ります。

 

デジタル変革により働き方を変えていこうというタイミングと、スマートグラスの導入時期が重なったことで、社員の受け入れやすい環境づくりができており、より効率化ができたのだといいます。

なぜ、RealWearなのか

装着感にこだわっているものや映像が立体的に見えるものなど、様々な機能を持ったスマートグラスが世の中に出ている中で、なぜRealWearを選定いただいたのかを伺いました。

「元々RealWearではなく、他のスマートグラスを実際の現場で使っていました。しかし、通信環境が脆弱であることでコミュニケーションに支障が出ることや、映像がぶれることで遠隔で見ている側が酔ってしまうことがありました。また作業者側では、製品が大きすぎて周囲が見えず、危険であることもネックになっていました。他のスマートグラスはないかと検討する中でRealWearがあることを知りました。」(伊藤様)

以前のスマートグラスを使用していたメンバーからは、重量が軽いこと、手振れ防止機能やノイズキャンセリング機能といった点が好評で、1度装着し使ってみるとすぐにこれを使いたいという声が上がりました。

2.主な用途

現場でのRealWearの用途

実際の使い方について、CS統括センター カスタマーソリューション推進部の橋本 友也 様は「出荷している製品にトラブルがあったときに、現場へ行って対応をする際に使用しています。我々の部のミッションにお客様の満足度向上がありますが、RealWearでの遠隔サポート機能による支援活動強化が、そのミッションを実現できると感じています。」と話します。

RealWearが解決するお客様の『お困りごと』

株式会社キッツのカスタマーソリューション推進部では、現場のトラブルや課題は『お困りごと』と表現されており、この『お困りごと』をなくし、お客様満足度を向上することをミッションとしています。

CS統括センター カスタマーソリューション推進部 橋本 友也 様

「トラブル発生時にお客様が求めることは、早期解決と二度と同じ事象が起こらない、ということです。有識者による遠隔サポートによりお客様が求めている対応を実現し、且つトラブルの早期解決でスピード力強化が図れます。対応力強化、スピード力強化することで、当社の製品を安心して使っていただくことができています。」(橋本様)

早期解決のためにはリアルタイムでの情報共有が必要になり、RealWearの機能にある様々なアプリケーションから実現可能です。また、同じ事象を起こさないためには、実際に起きた事象を分析し、再発防止策を考える必要があります。

そのためには関連する全ての部門が現場の状態を正確に知ることが必要であり、RealWearの録画機能がそれを実現しています。

RealWearを活用したお客様対応を通じて、信頼性獲得が実現できる点がRealWear導入の決断になったといいます。実際に既存のお客様からも「動きが早い、迅速で良い、効率化が図れる」などと好評いただいています。

現場対応を行う技術者の声

利用を始めてから、ベテランの技術者が全ての現場に行く必要がなくなりました。橋本様は「今は主に1名で現場へ向かっています。以前は工場の品質管理部門と複数名で行くこともありましたが、RealWear導入により省人化が実現できました。」と述べます。また、経験の浅い技術者にとっての心理的なサポートにもなり、ツールがあるだけで心強く、安心して作業に取り組むことができています。

現在はRealWearをサポート拠点ごとに所持しており、現場に往訪する際に活用します。装着による作業への影響を聞くと「ヘルメットに装着しているのですが、ヘルメットの上に装着していても全然気にならないくらいの重さです」(橋本様)と作業に支障は出ないと述べます。

3.導入後の効果

お困りごとの解決までの時間を短縮

70年に及ぶバルブ製造での経験値があり、その技術継承にもRealWearが活躍します。新たなお客様が増えるにつれて、お客様を支える熟練者の技術・知識が重要になってきますが、熟練の技術者はすぐに増やすことができません。

RealWear導入による効果について石島様は「現場に行っても解決できずに会社に戻り、再度新しい技術者を連れていくというようなことがなくなりました。遠隔からでも現場を見ながら指示が的確に出せるので効率化できました。」と述べます。同時期に報告書作成など紙で行っていた作業をデジタル化していたことで、より現場作業の短縮、負荷軽減ができたといいます。

RealWearを導入した結果、トラブル解決にかかる時間を大幅に短縮でき、サポート技術者の負荷も削減できました。

キッツグループのバルブは、高品質商品として国内外のお客様から高い信頼を得ています。その信頼を支える一部をRealWearが担っています。

現場知見の共有

CS統括センター カスタマーソリューション推進部 部長 加藤 公明 様

「管理者目線では、今まで目の当たりにすることがなかった現場の様子を実際に確認でき、現場に赴く技術者だけが知る色々な知見をみんなで見られて共有できるため、勉強になることが多いです。」(伊藤様)といいます。

また、CS統括センター カスタマーソリューション推進部 部長の加藤 公明 様は「現場に行く人の属人化の作業になってしまうことを横展開できる点や、リモートで支援ができることで技術者しか赴けない現場でデジタル推進を行うIT部門の知識でもサポートできるようになった点も、RealWear導入による大きな利点です。」と語ります。
様々な次のアプローチの仕方がわかるため、サポートをより迅速に、明確に考えることができているといいます。

IT統括センター ビジネスシステム部 IT技術・製造グループ 越川 七瀬 様

また、RealWearによる現場での対応記録をサポートメンバーだけでなく、デジタル推進チーム、製品開発チーム、また他拠点のサポートメンバーと共有可能になったことで得られるものも多いです。加藤氏は「映像での対応記録は、開発技術の知見として製品開発チームにも共有するなど活躍しています。」と語ります。現場の状態を記録し、分析を行うことで、同じ事象を二度と起こさないように対策することができると考えられます。

IT統括センター ビジネスシステム部 IT技術・製造グループの越川 七瀬 様は「部門の壁が取っ払えたため、今まで知り得なかったことを知ることができるようになる、いい機会になりました。」とも語りました。

4.今後の展開

業務を効率化できたRealWearですが、今後の展開について、加藤様は「現地の作業を映像で記録しているため、ナレッジとしても溜めていくことで、今後はさらに技術の継承がしやすくなると考えられています。」といいます。

さらに、「RealWearのナレッジがたまって来たため、台数を増やしていきたいと考えていて、他にもサービス部門やグループのメンテナンス会社へも展開をする予定です。開発技術力を上げるためのツールにもなり、属人化回避のトレーニングに使うこともできると考えていて、リモート支援、保守契約に結び付く予防保全に展開ができると期待しています。」とも話します。

特に、グローバルにバルブを展開するキッツでは、視覚情報を共有できることは大きな利点であり、国内だけでなく海外ともつながることができます。石島様は「視覚から見えている画像を他のどこにいる人とでも共有できる点、視覚(センサー)から入ってきたものがデジタル化される点の2点をメリットに感じています。同じものを共有できるというのは、遠隔であればあるほど有効のため海外にも広く展開できると考えています。」と語ります。

加藤様は「海外の技術者にも使ってもらい、日本からのバックオフィス支援をしていくことも考えています。」と海外展開にも取り組む方針です。

これまでの業務効率化や省人化だけでなく、新しいサービスにも繋がっており、「人が行かないとできないバルブのモノ売りから、バックオフィスサービスのコト売りができるツールになっていると思います。」(加藤様)と話します。

 

株式会社キッツでは、より便利で進化したやり方を探求しながら新しいことに挑戦しています。新たな価値創出に向けた取り組みに終わりはありません。現場を革新し、お客様に満足していただくため、株式会社キッツとRealWearのチャレンジはこれからも続いていきます。

資料のダウンロード

掲載している内容のほかに、RealWearを活用されている中での課題や、次にチャレンジしてみたいデジタル技術について伺いました。
詳しい情報は、以下よりダウンロードください。

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