近年、DX時代の到来によりデジタル技術が進化し、マーケティングの手法にも影響を与えています。株式会社オカムラ様においても、デジタルを活用したマーケティング活動の加速が必要と考え、ウェブサイトにおける情報の探しやすさの改善にあわせてデジタルマーケティングに使用するインフラのリニューアルに取り組みました。本記事ではクラウド環境の選定や、その効果、課題解決方法についてご紹介いたします。
課題
- 訪問者の目線合わせたUXと情報が整理されたサイト構造への改善
- ビジネス環境の変化に素早く適応できる柔軟性を持ったシステムの実現
解決策
- WEBサイトのインフラ環境をAWSへ移行し新たなデジタルマーケティング環境を構築
- AWS標準のアプリケーションを活用
効果
- 訪問者や社内関係者等のステークホルダーにとってウェブサイトがより利活用しやすい環境となった
- 開発や運用の際にかかるコストや負荷を大幅に削減した
株式会社オカムラ
オカムラグループは、パーパスである「人が活きる社会の実現」に向け、「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」をミッションとして、オフィス、教育・医療・研究・商業施設、物流センターなど、さまざまなシーンにおいて、クオリティの高い製品とサービスを提供しています。
企業価値のさらなる向上と社会課題の解決に取り組み、すべての人々が笑顔で活き活きと働き暮らせる社会の実現を目指します。
デジタルマーケティングインフラの一新プロジェクト!
ウェブサイトを訪れるお客様に適切な情報を提供したい
オカムラ様のウェブサイトにはオフィスや店舗・商環境、物流システムにおける現場環境の改善を中心に、さまざまな目的を持つ方が訪れます。オカムラ様は、製品情報やソリューションなどを直感的に探しやすい、訪問者の目線に合わせて情報を整理したサイト構造にしたいと考えていました。
ビジネスを促進するデジタルマーケティング環境
先進的なテクノロジーによりビジネス環境の変化に素早く適応できる柔軟性を持ったシステムを実現し、オカムラ様の社内各部門が多様な取り組みにチャレンジできるユーザー中心の環境を構築することで、今後のビジネスの発展に貢献したいと考えたのです。
AWSの選定とその効果
数あるクラウドサービスの中からAWSを選定した理由とは
これまで利用してきたクラウドサービスでは標準で利用できるサービスが少なく、できる操作にも制限がありました。また、クラウド環境をゼロから構築・運用するための専門技術者の確保が必要でした。
ですが、AWSにはさまざまなアプリケーションが用意されています。
マーケティング活動に必要となるテクノロジーをウェブサイトに取り入れる際、それらアプリケーションを組み合わせることで開発や運用にかかるコストや工数を大幅に削減できると考えました。
また、安定したインフラ環境も選定のポイントになりました。柔軟なサイジングやチューニングが可能で、一時的な高負荷や障害が発生したときのアロケーションによる高可用性な仕組みを実現でき、ウェブサイトを訪問者が快適に閲覧できるようになると考えました。
運用負荷の高い各アプリケーションをAWS各種SaaSに移行
ウェブサイトの運営にはメールやデータベースなど、その他アプリケーションが必要になります。
AWSの製品群を利用することでメンテナンスの難易度が下がり、運用負荷が大幅に軽減しました。
ウェブサイトからのお問い合わせや資料請求などのメール送信機能をAmazon SESで実現しました。Amazon SESはメールの送信や受信を簡単に設定できます。
既存データベースサーバをAmazon RDSに置き換えました。Amazon RDSは主要なデータベースエンジンを選択できます。インスタンスタイプが複数あり、必要に応じて変更ができることがデータベースにSaaSを選択する理由となりました。
仮想サーバやデータベースのバックアップを自動化しました。AWS Backupでは、バックアップのスケジュールや保持期間などを設定でき、運用の難易度が大幅に下がりました。
ウェブサイト移設の課題と解決
オカムラ様が既存のウェブサイトを新環境に移設する際、発生した課題とその解決方法をご紹介します。
“WEBサイトの稼働を止めずに移行”
リフトアンドシフト手法でリードタイムを最小限に!
リフトアンドシフトとは企業が持つ業務システムを異なるプラットフォームへ移行するマイグレーション手法の一つです。まず、既存システムをそのまま新たなクラウド環境に移行し、その後、必要に応じて部分的に改修(最適化)します。新たな環境向けに一から設計するのではなく、部分改修を適用しながら段階的にサイト・コンテンツのリニューアルができる仕組みは、移行にかかるリードタイムを限界まで削減することができます
“複雑なサイト移行スケジュールへの対応”
リバースプロキシによる細かなURL設計を実現
オカムラ様では多くの部門がコンテンツの企画・制作に携わっています。ユーザーのアクセスを新環境・旧環境の両方へ適切に交通整理できるシステム環境を用意しなければなりません。アクセス制御には一般的にロードバランサーが用いられることが多いですが、通常のロードバランサーでは適用できない細かいアクセスルールが求められたため、本プロジェクトではAWSの仮想サーバサービスであるAmazon EC2を利用して、リバースプロキシサーバを構築しました。リバースプロキシサーバにより適切なサーバに振り分けることができ、優先度の高いコンテンツから順に移行スケジュールを組むことが可能になりました。
さいごに
株式会社オカムラ様は、ウェブサイト管理部門が主導してデジタルマーケティングインフラの仕組みを一新するという本プロジェクトを開始しました。デジタルを活用したビジネスに求められる要件を理解している現場で、必要なシステム要件まで落とし込み、社内のコンテンツオーナー・ユーザー部門にとって企画・制作・運用しやすく、高速かつ安定したウェブサイトの実現を可能にするのに適した仕組みがAWSであると考え、その仕組みづくりに関する実績と技術と体制を備えたパートナーとして、NSWを選定いただきました。
NSWは、AWSの専門知識だけでなく、クライアントのニーズを理解し、柔軟に対応することでお客様のDX推進を支援いたします。
最適なクラウドの選定、ライセンス提供、クラウドネイティブアプリケーション化支援、設計・導入および24時間365の監視・運用をトータルでご提供致します
掲載内容はこの記事を取材した2024年6月12日時点の情報です。