小学校における熱中症対策の進化 
ITで守る子どもたちの健康
スマートプロダクト
東京都文京区立柳町小学校

東京都文京区立柳町小学校(以下、柳町小学校)では、校舎とプール場の距離が離れていること、夏の水泳授業において必須となる暑さ指数・温度・水位などの計測作業の効率化を検討されていました。導入経緯や抱えていた課題、解決策や得られた効果を伺いました。

課題

  • 校舎からプール場まで距離があり、休み時間の15分を作業に充てていた
  • 作業をする休み時間に児童から離れることになるため、安全の確保ができていなかった

解決策

  • IoTによるプール場の暑さ指数・温度・湿度データを取得
  • 見える化(モニタリング)画面からリアルタイムでデータを確認

効果

  • プール場への往訪回数が減少したことで作業の効率化が図れた
  • 休み時間中も児童のそばから離れずに済み、安全を確保できるようになった
  • 教室内で水泳授業の実施・中止の判断ができるようになった

東京都文京区立柳町小学校

東京都文京区小石川に位置する柳町小学校は、明治34年に開校された創立120年を超える歴史ある学校。

『一人一人が生き生きと輝く学校』を経営理念に、インクルーシブ教育にも取り組んでいる。子どもたちが自他の人権を尊重する学級・学校づくりが行えるよう、すべての児童が、かかわりあい、学び合う教育を目指している。また、職員室内において通常学級・特別支援学級の担任を隣席にすることで、一人一人の児童に対して必要に応じた個別指導や支援が行き届く教育環境を実現している。

■学校教育目標
・心を磨き 体をきたえる子
・自ら考え やりぬく子
・認め合い 高め合う子

水泳授業における水温・気温の計測と、暑さ指数(WBGT)について

夏になると水泳の授業が始まりますが、水泳指導にあたりプールの水温・気温の計測が、業務上必要になります。水泳授業の前日と当日の朝にも行うことが望ましいと言われており、施設往訪回数や実施頻度が高いことから教員への負担が大きくなっている場合があります。

しかし、水温や気温が高すぎると、体温調節がうまくできず、水中でも熱中症になる危険性があるため、水泳授業における水温・気温の計測は重要な業務となっています。

水温は23℃以上が適温、33℃~34℃より高い場合は、水中で待機をしていても体温が上昇するため、発汗による熱中症のリスクが高まります。
文部科学省では熱中症の危険度を判断する数値『暑さ指数(WBGT)』を出しており、暑さ指数33を超える場合には、水泳授業を含めた各活動を中止する判断指標の活用を促しています。

 
■熱中症の予防対策(プール)
各都道府県でガイドラインが設定されています。
・気温35℃以上、暑さ指数31℃以上は原則運動禁止
・上限温度目安 水温+気温が65℃以上の時は適さない

柳町小学校では、教員が授業の合間の休み時間を活用し、事前にプール場の温度・湿度・水温などを計測してきました。施設の最上階に設置されている屋内プールであることから、日差しが直接当たることで水温・室温が高くなるため、児童に対する安全対策を日々検討されてきました。

熱中症対策ソリューション検討・導入の背景

柳町小学校3年生担当の佐藤先生は、夏になる前の今年の5月中旬~後半にかけて日常的なプール点検を実施していました。その中で、時間の効率化と児童の安全を守るために温度取得ができるソリューションを探していたそうです。

3年2組 担任 佐藤 充 先生

「現在、柳町小学校では校舎の建て替え工事を行っています。体育館やプール場は1年半ほど前に建て替えられ、校舎からは少し歩いた場所に建っています。

水泳授業がある日には、休み時間の15分を使い、事前にプール場の暑さ指数、温度、湿度、水温などの計測をしていました。しかし、休み時間ということもあり子どもたちが遊んでいる姿を目視確認できないことから、子どもたちから離れずに環境状態を確認する方法を検討しました。

まずは担当教員でシステムの必要性について認識を合わせ検討を進め、プール場の環境状態を確認できるサービスを探しました。温度や暑さ指数などの環境データを遠隔から確認できるシステムの必要性を管理職の先生方へ説明をして、Around Now!の導入に至りました。」
(佐藤先生)

Around Now!導入の決め手

他社製品の熱中症対策ソリューションについても検討されたようですが、校舎とプール場の位置が離れているといった点から、遠隔でもデータが取得・確認できるといった点が魅力的であったと伺いました。

「距離に限度があり、例えば100m以内の距離でないとデータ取得ができないなど、制限があるソリューションがほとんどでした。
Around Now!は距離に関係なく、離れた場所でもデータが取得できること、またデータが教室にある教員タブレットから確認できるなど、離れた位置からでもデータ確認ができる機能が搭載されていたため、導入を決めました。」(佐藤先生)

また本サービスは、スマートフォンのLTE回線を使用したデータ送信ができる『Around Now! Mobile Edition』を提供しています。柳町小学校ではMobile Editionを採用いただいたため、プール場におけるインターネット回線工事が不要となった点もメリットと考えています。

導入後に得られた効果

タブレットが各教員に配布されていることから、離れた場所・教室にあるタブレットからでもプール場の暑さ指数、温度、湿度が確認できることで、教員の業務効率化に役立っているそうです。

■導入後に得られている効果
1.プールまでの移動・検査時間の短縮
・児童のそばを離れずにデータを確認できる
・児童の安全性が確保されるようになった
2.水泳授業の効率的な実施可否判断
・気温の変化がすぐに分かるようになった
・先生方が確認に行く回数が減った

教室に1台、また各教員にもタブレットが配布されているため、朝から常時監視をされているそうです。

今後期待をしていること

  • 利用者(ユーザー)の利便性向上
  • 熱中症指数の他に、水温+気温の合計値が確認できる機能
  • プール場における水質検査などもIoTを使って業務効率化

お客様の多様な活用シーンを想定したシステムへと、順次アップデートを検討してまいります。

今後の活用について

現在は子どもたちの遊ぶ場所として屋上を開放、また今後は校庭が工事によって利用禁止になるため、一般の運動場を利用されるようです。
屋外活動における熱中症対策としても、引き続きAround Now!が利用ができるか、検討を進めていくそうです。

本事例で活用されているソリューションについて
Around Now!

■特徴
複数センサーのデータ取得が可能
・インフルエンザやコロナなどの感染症対策にも活用
ブラウザ経由でデータの可視化

■センサーの種類
温度・湿度・WBGT値・照度・UV・気圧・騒音・CO2

■設置場所

Around Now! Mobile

■特徴
・据え置き型ではなく、センサーを持ち運んで利用
スマートフォンの通信回線を利用してデータをアップロード
・専用のスマートフォンアプリからデータを閲覧

■センサーの種類
温度・湿度・WBGT値

■利用者

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