生成AIが品質向上に役立つ!AzureOpenAIの高度なテキスト認識を活用した方法とは?
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株式会社大林組

総合建設会社の株式会社大林組(以下、大林組)の設計本部では、より良い設計品質を追求するために、過去の改善データを設計作業に活用する検索システムを導入しています。そこでは最新の生成AI技術を取り入れたことにより、改善データの読み取り精度が飛躍的に向上し、その結果、設計品質の向上や属人化の解消につながっています。大林組の過去の改善データを今に活かす、高度なデータ活用についてご紹介いたします。

課題

  • 設計に関する過去の改善情報を効果的に活用できていない
  • 設計チェックに大量の工数がかかかる
  • 熟練の技術者しか問題点を見つけられず、属人化の傾向にある

解決策

  • AI-OCRの文字読み取りと生成AIを活用した、汎用的な『改善情報検索システム』を実現

効果

  • 図面データから改善情報の検索が可能になった
  • 過去の情報を迅速に見つける事ができ、工数削減につながった
  • 熟練の技術者に頼らずノウハウを取得・活用できるようになった
株式会社大林組

■会社紹介文

大林組は、1892年に創業した総合建設会社であり、東京都港区港南に本社を構えています。同社は、国内外の建設事業や開発事業、またグリーンエネルギー事業などを通じ、安全・安心かつ環境に配慮した社会づくり等社会的課題の解決に貢献しています。

建設業界における高品質を保つためのプロセス

建設業界では、膨大な設計図面やドキュメントを保有しており、それらのデータを効果的に活用することで品質の向上が図られています。
さらに、高品質を維持するために、熟練の技術者のノウハウを活かし、時間・工数をかけて繰り返しチェックを行うなど、過去の改善情報を基にしたプロセスが、高い品質を支えています。

検索機能が求められる理由

より良い設計品質を確保するには、様々なキーワードから過去の改善情報について調査をする必要があります。

しかし実際の現場では、その判断基準や業務知識が担当者の経験値に応じて偏ってしまい、属人化の傾向にあります。熟練の技術者なら判断できる問題点でも、新人では見分けがつかないことから、システムを活用した属人化の解消が求められています。

また、デジタル化の際には対象となるドキュメントのフォーマットの統一化が欠かせませんが、部署や拠点ごとに情報を報告するための形式や運用が異なるため、企業全体で統一することは大変困難です。設計者に負担をかけないためにもフォーマットの形式を変更せずに、検索機能を実装することが求められます。

生成AIが過去データの抽出を助け、解決へ導く

『改善情報検索システム』全体イメージ

検索システムでは、過去情報や改善情報をデジタルテキストに変換し、図面の情報とマッチングをさせます。その際、読み取った各テキストにタイトル、対象の材料や部品、改善の情報といったデータの属性を付与して図面データとの関連性を見つけ出します。ですが、フォーマットに頼らない仕組みを希望しているため、通常のOCRでの読み取りだけでは、それら属性への振り分けが困難です。そこで、生成AIの機能を取り入れました。

生成AIにより、どのテキストデータがどの属性にあたるのかを判別させることができるため、検索システムと図面データ間で正しい情報の連携ができるようになり、本当に欲しい情報を取得することが可能になりました。
また、OCRで読み取られたデータを、再度生成AIで読み取ることで、文字認識率が向上し、誤認識や文字化けの減少にも貢献しました。


元データよりテキストを読み取り
さらに生成AIでテキストをデータベース化

Azureによるスムーズな運用と強固なセキュリティ

本システムではMicrosoft社が提供するAzureを利用しています。システムの運用管理の負担削減、容量の拡張の柔軟性などクラウドならではの高い利便性があり、多くのセキュリティ基準に準拠したシステムであるため、セキュリティ面でも安心です。

検索システム導入の効果

1. 図面チェックにかかる時間の大幅な短縮や設計品質向上など、業務効率化を実現

長年蓄積されたデータの利活用をより素早くできるようになったことで、過去の改善情報を参考に設計を進めることができました。作業の手戻りが短縮されたことで業務の効率化が図れ、また過去情報を現在の設計と照らし合わせることでより高品質な設計が可能となり顧客からの信頼度も向上しました。

改善情報検索システムを活用することで、熟練の技術者のみが判断できていた設計時に注意すべき箇所も、新人や若手が過去のノウハウを取得・活用できるようになり、幅広い情報共有につながりました。

2. 過去情報、改善情報のフォーマットに依存せず、デジタル化を実現

データの抽出におけるフォーマット依存が解消されたことで、検索対象データの拡大や、新規シートの登録が容易にできるようになりました。改善情報を作成する現場スタッフや設計者、また本システムの運用スタッフ双方において特別な作業は発生せず、大幅な作業負担の軽減につながりました。

フォーマットにこだわらないAI判定を行えることは、大きな利点といえます。

さいごに

生成AIは文章や画像を作り出す機能に注目されることが多いですが、生成AIの柔軟で高度な認識力を利用することで、汎用性の高い検索システムが実現しました。

生成AIの可能性は無限大です。NSWは生成AIの新たな使い方にもチャレンジし、企業の課題解決を力強く支援していきます。

本事例で活用されているソリューションについて

NSW OpenAI ソリューション
導入検討段階から計画作成支援を行い、AI活用環境の構築をサポートします。さらに社内でのAI活用方法の支援や、ビジネスでのAI活用方法の支援や、ビジネスでのAI活用方法の支援も行います。

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