第6回: PLM導入ステップ
―成功するためのロードマップ

PLM導入は時に数年単位の取り組みになります。その中では、途中の判断が迷いを生んだり、関係部門の足並みがそろわずに停滞したりする場面も出てきます。だからこそ「どこからスタートし、どのように段階を踏み、最終的にどういう姿を目指すのか」を明確にしておくことが欠かせません。ここでは導入の全体像を5つのステップで整理します。

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    PLM導入は“変革の長旅”を設計するところから始まる

    PLMの導入は、多くの企業にとって大規模プロジェクトであり、単なるITシステム更新という枠には収まりません。製品開発の思想、情報管理の方法、部門間の役割分担、そのすべてを見直す“変革の長旅”です。この旅を迷わず進むために最初に必要なのは、システム比較でも機能検討でもなく、しっかりとした導入ロードマップを描くことです。

    ステップ1:現状を把握し、自社の“出発点”を明らかにする

    最初に取り組むべきは、自社の業務や情報の扱われ方を客観的に棚卸しすることです。多くの企業では、設計・製造・調達・サービスといった各部門で異なるルールが存在し、同じ情報が複数箇所に保管されているケースが少なくありません。さらに、属人的な作業や手入力の重複、Eメール添付での受け渡しなどが日常化していることもあります。こうした“見えないムダ”を可視化することが導入プロジェクトの出発点になります。

    ステップ2:ありたい姿(To-Be)を描き、導入目的を定義する

    現状整理が終わったら、「これからどのようなものづくりを目指すのか」を描きます。ここで大切なのは、PLMを導入すること自体を目的にしないことです。目指すべきは開発期間の短縮、手戻り削減、部門横断の協調強化、品質改善など、具体的なビジネス成果です。目的が明確になれば、途中で「どの機能を優先すべきか」などの判断がぶれなくなります。

    ステップ3:データ構造とBOMの“基礎”を設計する

    PLMの中核はデータです。その中心にあるのがBOM(部品表)であり、これをどの粒度で保持し、どの部門がどのBOMを使い、どう連携させるのかを定義します。設計BOM・生産BOM・サービスBOMの関係性、部品番号体系、バージョン管理の方式などを曖昧にしたままPLMを構築してしまうと、後から必ず大きな手戻りが発生します。逆に、この段階でしっかりとデータ構造を設計すれば、ERPやMESなど他システムとの連携が非常にスムーズになります。

    ステップ4:業務プロセスとワークフローを再編成する

    PLMを導入したのに「ファイル置き場が変わっただけ」という失敗例は意外と多いものです。その原因は、旧来の業務プロセスをそのままPLMに乗せてしまうことにあります。PLMの導入は、業務そのものを見直す絶好のタイミングです。“誰が何を、どのタイミングで、どの情報を扱うのか”を再設計することで、PLMは情報保管庫ではなく業務推進の中核となります。

    ステップ5:段階的導入と“定着”までの仕組みづくり

    全社一括導入はリスクが高く、現実的ではありません。まずは優先領域や代表製品を対象にしたパイロット導入を行い、ルール・画面・運用方法を磨き上げ、徐々に拡大していくアプローチが有効です。導入後のサポート体制、定期的な改善サイクル、現場からのフィードバック収集なども、PLMを企業文化として根付かせる鍵になります。

    PLM導入は“学びながら進む長いプロジェクト"

    これらのステップを振り返ると、PLM導入はシステム導入の枠を超え、「ものづくりを再構築する継続的な旅」であることが見えてきます。
    自社の現在地を見極めることから、その旅は静かに始まります。

    次回予告

    次回は「​第7回: PLMとDX(デジタルトランスフォーメーション)―未来のものづくりへ」をご紹介します。
    PLMがDXの中核として果たす役割を考察。データ駆動型の意思決定、リアルタイムな製品開発、
    サステナビリティへの貢献など、未来志向の視点を提供します。

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